企業から合法的に大金を稼ぎ出す知能ピジネス
大企業の経営者が嫌うものに総会屋がある。ところが、怒声も立てず、内容証明一通で総会屋の何十倍もの日当を稼ぎ出している知的ビジネスマンがいる、しかも、合法的だから国家が味方。法律を知らないほうが悪くなってしまうのだ。
知能ピジネスの手口公開!
― 合法的だから、無知をムチ打つ!
これは、商標屋(商標ブローカー)のM氏が語ってくれた、かつて使い、今も十分に便える商標売買業の秘伝である。以下、会講形式で公開して行きたいと思う。
良心的な商標指導員を開業せよ
― Mさんのご職業を教えていただけますか?
M:商標、サービスマークの指導員をやっています。1992年の4月から、商標法が改正になり、モノにつける商標以外に、サービス、無形の商品につけるサービスマークが、突然、独占できるようになったんです。
このことを知らない企業が多く、ましてや、商店の店主にいたっては、まるで関心がないといった状態です、そういう事業主が全国で700万社もあると言われているのですが、その中には、繁盛して大金持ちの商店主も多いでしょう。
そういうところは、商標ブローカーに必ず狙われるわけです。
商店街の理容室や美容室も、喫茶店もパチンコ店も、ほとんどが屋号、のれん、看板、使用物に店のマークを入れて使っています。それがみんな商標ブローカーの標的になるんです。
のれんや社名、看板のマークが、商標ブローカーによってこっそり出願され、横取りされてしまうんです。
こうなると、法律的に自社の看板やのれんは使えなくなる。出願することが常識になっていたモノの商標ですら、トラブルが続出しています。サーピスマークならなおさらですね、だから私は、のれんや看板のマークは、すぐにでも特許庁に出願するべきだと警告して回ってるんですよ。
特に、繁盛している商店や企業に対しては、口が酸っばくなるほど教えてあげています。これが、サービスマーク指導員の仕事です。
特許管理士という弁理士に準じた資格
― すると、Mさんは弁理士の資格を持っているんですか?
M:いいえ、持っていませんが、特許管理士という、弁理士に準じた資格を持っています。
それから、知的所有権協会の会員で、協会の認定証も持っています。弁理士の資格を取るのはけっこう難しいですし、競争率も高くてね。それに、弁理士だったらこんなボランティアみたいな仕事をしてませんよ。
元社員に1千万円取られた企業
― ノレンや看板が商標ブローカーに横取りされてしまうというと、具体的にどのようにするのでしょうか?
M:例えぱこんな事件がありました。ある大手繊維メーカーの○○が、一流各紙に1ページの全面広告で、自社の新製品『○ロ○ン』を出したんですが、その直後に、その会社を辞めていた元社員から電話をもらった。
「すでに『○ロ○ン』は私が出願済みだ。私には使用権もあるし、商標権侵害で告訴する準備もある」とね。
結局、○○はその元社員に1千万円を泣く泣く支払い、そのほかの難しい条件をのんだ、という事件がありました。このマヌケな話は、マスコミには知らされなかったけれど、プロ連中の間では語り継がれています。
1干万円で買い取らされた商標権
― ほかに面白い話はありますか?
M:四国にある漢方薬のメーカーで、「○味○」という婦人薬を全国規模で売り出しているメーカーがあるんですが、ある日、「○味○は私の商標だから製造を中止してくれという申し出を受けたんです。
さっそく調査してみると、その人の名前で許可になっている。そこで、弁理士に相談したら、「これはあなたに先使用権があるから、無効審判を起こしてあげる」と言われ、ひとまず安心した。
ところが、1ヶ月ほどたってから、○味○取扱いの問屋から、「○味○は商標侵害だという内容証明をもらった。メーカーであるあなたのほうで解決策を考えてほしい。それまでウチとしては危ないから取引を一時中止する」と言ってきた。
法律的には勝てるけれども、商売に響いてくるので、これもやむなく、そのブローカーの要求額の1千万円をのんだという話です。
登録商標男、自動車メーカーを走らす
― ほかにもっと面白い話はありますか?
M:儲けているのかどうかわかりませんが、ブルーバード、スカイライン、カペラロータリー、グロリア、ギャランなどの車の名前を34種ほど、印刷物のタイトルとして商標登録している板金屋の社長がいますね。これが有効になると、事のメーカーは、車名をタイトルにしたPR誌や、ポスターの発行も、配布もまったくできなくなるわけです。
― 車の商標登録と印刷物の商標登録とは、別なんですか?
M:そうです。ジャンルが別れており、「類」と呼んでいまずが、一つのジャンルの中の競合は避けられますが、他のジャンルは素通りしてしまうんです。だがら有名企業は、商標登録するとき、他の類にも予防線を張っておく必要があるわけです。
忠告を聞かない企業は?
― 今までの話を総合すると、あなたは商標プローカーの手口を色々と知っているようですが、Mさんご自身は商標ブローカーではないんですね?
M:私はレッキとしたサービスマークの指導員です。毎年引っ越しながら、全国各地の商店街を回り、ノレンや看板は商標登録しなさいって警告しています。で、出願すると言えば、一応アドバイスしてあげて、経営コンサルタント料をもらっています。
― 軽んじて、出願しないと言い張る社長連中はどうするんですか?
M:商標ブローカーの餌食になるしかないですね。商標ブローカーは、大企業・中小企業・零細企業関係なしに、虎視タンタンと狙っていますから。人がここまで親切に言ってあげて、それでも無視するというなら、もう本当に責任は終えなくなりますよね?
― そうですよね、そういうわからずやのワンマン社長や店のオヤジは、商標ブローカーに連絡しちゃえぱいいのに。そうやって懲らしめないと、ますますつけあがりますよね?
M:やっとわかりましたね。実は、そのように取り計らせていただいております。
----------
架空の住所を作る方法
自宅にいながら何らかのサイドビジネスを始めたいときに、架空の住所を使用する必要性に迫られることがありますが、その方法はいくつかあります。例えば、郵便局の私書箱や転居届のハガキを用いる方法、また、バーチャルオフィスという考え方もあります。詳細については、こちらの記事をご覧ください。
→ 架空の住所を作る方法
----------